光ファイバー世界2位

古河電工は2001年11月、米通信機器大手のルーセント・テクノロジーズから、OFSを2,800億円で買収した。その結果、光ファイバー分野で世界2位に躍進した。

しかし、直後に米国のITバブルが崩壊した。OFSの2002年の売上高は、買収前の8割減の300億円に落ち込んだ。

OFS研究所

OFS研究所は、ベル研究所が1996年にルーセントの傘下に入った際、ベル研究所から約60人の研究者などが移籍して発足した。次世代の光通信や光ファイバーの能力を高める技術などの研究開発を行っていた。

古河電工は、OFS研究所のリストラについて、「基礎的で長期的なテーマを中止する。その研究者を社外に出す」と説明した。人員削減規模は最大でも十数人くらいにとどまる。一人当たりの報酬が高額なため、コスト削減効果は高かった。

3000人リストラで赤字

古河電工は、2002年末までにOFS本体の人員を約3000人削減した。工場のラインも閉鎖した。これらのリストラにより、古河電工の2003年3月期の連結決算は、過去最悪の1,140億円の税引き後赤字となった。

2004年4月期もアメリカの光ファイバー需要が回復しなかった。OFSは赤字となった。

このため古河電工は、数百人の人員削減や生産拠点の大幅な集約などとともに、OFS研究所の人員削減を含む追加リストラ策をまとめた。

【動画】古河電工の開発の歴史

古河電工の開発の歴史に関する公式動画です。



O3(Open Organic Optima)プロジェクトの挨拶

「O3プロジェクトシンポジウム」は、2016年3月23日(水)に開催された。プロジェクトメンバーは、NEC(日本電気株式会社)、NTT(日本電信電話株式会社)、NTTコミュニケーションズ株式会社、富士通株式会社、株式会社日立製作所だった。

NTT

コンピュータ性能の飛躍的向上とクラウドコンピューティングによりサーバ仮想化が進み、ネットワークにも仮想化の流れが到来し、ソフトウェアによるネットワーク構築・制御技術の検討がSDN(Software Defined Networking)として進められています。柔軟かつ安心・安全な新たな社会インフラ基盤を、SDNを用いて実現したいと考えています。O3プロジェクトの研究開発成果ならびに社会実装に向けた様々な活動を通して、SDNノードの高度化・高性能化を目指し、昨年度、OpenFlow技術を用いた世界最高性能のソフトウェアスイッチの開発に成功しました。本シンポジウムでは、更なる機能向上により、仮想ネットワークインターフェースやトンネルプロトコルをサポートした、最新のソフトウェアスイッチを展示します。是非ご来場いただき、ご意見をいただければ幸いです。

NTTコミュニケーションズ

SDNは、それまで一体であったデータプレーンとコントロールプレーンを分離することから始まりました。これまでは、プロトコルに従って動作する装置を「設定」することで、所望の機能を実現していましたが、SDNではデータプレーンの振る舞いを「プログラム」することが可能となり、組合せの自由度、機能実現の自由度が飛躍的に大きくなっています。その裏返しで、ある特定のユースケースに対し、何と何を組合わせて、どうプログラムすればいいか、という解を利用者自らが考案し、作り上げる必要があります。決められたレールの上を走るのではなく、どう走ればよいか自分で決める自由と責任があるのがSDNだと思います。

NTTコミュニケーションズは本プロジェクトにおいて、キャリア網でSDNを使うには、という観点でSDNのガイドラインを作成し公開しています。今年度は運用に必要なOAM機能の開発も行い、実証実験をしています。そのデモ展示を行っていますので、ご来場いただきご意見を頂ければと思います。

NEC

環境、資源、都市化、交通等の様々な社会課題が顕在化しつつある中、安全・安心な暮らしや、効率的な資源活用を可能とする新しい社会インフラに、O3プロジェクトの研究成果を活用し実現したいと考えています。

本プロジェクトの研究開発成果ならびに社会実装に向けた様々な活動を通して、例えばビッグデータ技術領域とネットワーク仮想化技術領域の融合を加速化し、従来の高速・広帯域化という価値提供だけでなく、社会課題の解決に直結する新しい社会価値の創出に貢献していきます。

富士通

当社は、トランスポートネットワークを支える光コアネットワークの特長である大容量・低遅延伝送をSDN技術により多種多様な特性を持ったサービスから柔軟に活用可能とし、トラフィックの特性に応じたパケットネットワークと光コアネットワークのベストミックスによる新たなサービスの創出を目指した研究開発を進めています。

本シンポジウムでは研究成果の一部として、「サービスと連携容易な広域トランスポートネットワーク技術」と「パケットアウェアな光パスを提供する光コアノード技術」を展示いたします。ぜひご来場いただき、研究開発へのご意見をお願いいたします。

日立製作所

インターネットやクラウドサービスの利用をはじめとし、通信ネットワークは日常生活において必要不可欠なインフラサービスとなり、高度な情報化社会が到来しようとしております。しかしその一方で、多様な社会課題が浮き彫りとなり、快適・便利・創造的な暮らしと地球環境保全等の両立等が重要となっております。

日立は、パケットトランスポート装置をベースとしたSDN技術の研究により、O3プロジェクトをビークルとして、サービスやユーザが必要とするICT資源を効率的且つ迅速に提供可能とする仮想ネットワークの技術を昇華し、従来の資源利用効率化に加え、人の知的創造を支援する社会インフラの実現に向けて貢献して参ります。