「ピーターパン」(1996年)~梅木豪之
【1996年冬】
春休み、入学シーズンを迎えて、『ピーターパン』(ブエナ・ビスタ)が発売。永遠に子供のままの心と体を持つピーターパンが妖精ティンカーベルとともに夢と冒険の世界を旅する。入学祝いのプレゼントにもいいかもしれないが、きれいな英語で教材にもなりそうなのが、ディズニー・アニメの特色である。音楽映画の古典的名作『オーケストラの少女』(CICビクター)も発売された。これもプレゼント用に最適だろう。
ほかにセルビデオでは、ウィリアム・ワイラー監督の『女相続人』『黄昏』、とりわけビリー・ワイルダー監督の『深夜の告白』(CICビクター)がお勧めである。『黄昏』はローレンス・オリヴィエ主演の初老の男の悲恋もの。ヘンリー・フォンダ、キャサリン・ヘプバーン主演の同名作品とは内容も異なる。『深夜の告白』はレイモンド・チャンドラーが脚本を担当、人妻が不倫の愛人と共謀して、多額の保険金を掛けた夫の殺害を図るスリラー。ヒチコックだけでなくワイルダーのこの種の作品も、もっと評価されていいと思う。
『フレッシュ・キル』(パンドラ)はニューヨークのスシ・バーから始まり、衝撃的映像で現代社会のさまざまな問題をまたにかけて展開する異色作。在米の台湾系女性アーチスト、シュー・リー・チェンの劇映画第1作だ。
梅木豪之